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旧ずぶ邸あるじのイントンコントン日記

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ゆめうつつ、半信半疑の

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ぽわわわ~ん教室回想 その2 ~かたちをまねぶ🍪~

初任のころの私は

大学院を出て

いきなり偏差値高めの女子校に勤務していたこともあり

 

高校生の古典は選択授業でもあり

受験に向けての授業として

毎日一生懸命予習して

 

生徒の(?)ニーズ(?)に応えなければっ💦

とどうやらかなり焦って(ビビッて)いました。

(今思えば(?)だらけですが)

 

というわけで、その1で書いたような「手描きの絵を取りいれる」

とかその程度のささやかなお楽しみしかなかったかもしれません😿

 

そのとき同時に

中学二年生の国語(現代の文章を読む)の授業も3年間持ちました。

そちらも最初は教科書の文章を丁寧にやってみたんですが

だんだん指示語とか要約とか

そればかりをすることに何の意味があるのか

わからなくなってきました。

(目的を見失う…)

 

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そして試行錯誤の末

「読み書き聞き話しの四つの能力を深めるきっかけ作り」

という自分なりの目標を見出し

いろいろなとりくみをはじめました。

 

普段の授業は教室の人数が多いため

どうしても一方的な「読み」「聞き」が中心になってしまい

「話す」ことができるひとは一部のひとになってしまいます。

 

プロローグでも書きましたが私としては

出したいと思いつつ話せないひと、自信のないひとにこそ

出してもらいたいので

そのためにはまずひっそりと「書くこと」からはじめるのが

いいんじゃなかろうか…

 

と思い

「書くこと」に力を入れて授業をしてみたことがあります。

 

~HOP~

 

1、詩の換骨奪胎

好きな詩を探し、自分流に詩や文章にアレンジする

《詩の形式の模倣》 

 

2、合宿の歌物語

合宿の思いでに短歌を添えて、歌物語ふうに仕上げる

《短歌づくり+歌物語の形式の模倣》

 

~STEP~

 

3、夏休みの日記

読者をその場につれていくこと(臨場感)を目標に、こまかく生き生きと描写する

《読者の存在を意識する》

 

4、なぞなぞ作文

答えが最後まで気になる展開を目標に、構成と表現を工夫する

《構成を意識する》

 

5、デッサン

絵や写真をことばでデッサンし、深く考える

《視覚的な表現とことばのコラボ》

 

6、魅力のあるひと

会話文を盛り込んで、その「人」の魅力的な部分を浮き彫りにする

《「話し言葉」を取り入れる、「好き」なものによる意欲の向上、人間(個人)への意識》

 

~JUMP~

 

7、MY『駆け込み訴へ』

太宰治の「駆け込み訴へ」の結末を想像して創作する

 

8、裏メロス

走れメロス」の裏話を考える

 

 

1年目、2年目にやってみたお題も集大成して

3年目にこのようになりました。

(学年が150人だったので読むのが大変でしたが無我夢中で楽しみました…)

 

最初からこういう計画を立ててやったのではなく

1の詩のアレンジをしてもらったときに

おもしろい作品がいっぱいあって、意欲的なひとが多かったので

結果的にどんどん続いたという感じです。

 

突然「詩をつくってみましょう」

と言われるとかなり難しいのですが

 

好きな詩を探して

(自分で探して決める、好きだ! と思うということが大事ですが、生徒のレベルに合わせていくつかこちらで用意してもいいと思います)

 

まねをするとけっこう簡単にできます。

つまりは、替え歌作りですね🎵

 

ぼくはぼく  からすえいぞう

 

ときどきぼくは

ほんのすこし

いろつきの はねが ほしいな と

おもったりする

 

ほんのすこし

いいこえで うたえたらな と

おもったりする

 

でも

これが ぼくだ と

とんでいく

 

これをアレンジした生徒の作品が…

 

わたしはわたし

 

ときどき わたしは

ほんのすこし

澄んだ心が ほしいな と

おもったりする 

 

ほんのすこし

遠くまで 飛べたらな と

おもったりする

 

でも

これが わたしだ と

あるいていく

 

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思うに「学校的な文章」というのがあって

映画鑑賞会だとか、だれそれの講演会だとか

の後に慣例で(?)書かせる「感想文」なるもの…

(読書感想文もそうですか…)

 

読者が想定されない、書く形式や場(目的、誰が読むのか?)が指定されない文章は

書けと言われましても誰でも書くのが難しいです。

(不安だから…自信のないひとは特に…)

 

適当に書かせて、適当に読む(読まない)なら

学校に対する反感や諦め、ネガティブな気持ちや姿勢を

潜在意識に植え付けるだけなので、やらない方がマシマシ!

(フィードバック、リスポンスが最重要! リスクもあるのじゃが…)

 

書くこと(読まれること)への意識(目的意識・意欲)のないネガティブなことばを

生徒から引きだしているのは「学校の構造」

その一部としての「おとなの姿勢」なのかもしれません。

(信頼関係のないところのことばはむなしい…)

 

書かせるなら(人数が多い場合)

ひとりひとりと向き合う

めちゃくちゃに大変な仕事になると承知のうえで

書かせてほしいと思います。 

 (気をつけます…)

 

⭐とりくみたくなるような、おもしろそう、たのしそうなお題、と提示の仕方を工夫する

 

⭐どういうふうに書くか、具体的な「書く形式(文体・見本)」「書き方」を示す(書道と同じく)

 

⭐公開範囲を示す(教師のみ、教室のみ、学校全体、学校外など)読者の存在を意識させ、場の安心感、信頼関係により、光ることば、内なるこころを引きずりだす

 

⭐ひとことでも返事を書く(特に「工夫しようとしている」「意欲を出そうとしている」ひとへ)→次も書いてもらう、こっちを向いてもらうため

 

⭐フィードバック、発表、共有のしかたを工夫する

 

 

かたちがあればそのまままねをして(まねび=まなび)

中身を自分に置き換えて書けばいいだけなので

 

全然書けないというひとが激減し

意欲的なひとが増える😊

 

というのがやってみてわかったことでした。

 

もともと上手なひとだけでなく

今まで出してこなかったひとのぎこちない素朴なことばにも

おもしろみを感じますし

表現の芽生えをうれしく思います。

 

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当時つくった消しごむハンコ

 

かたち(枠)を決めると

やる気さえわけば誰でも取り組むことができ

上手い下手のものさしから脱却することができ

「みんなちがってみんないい」の方へ向かえるのでした。

 

わーい(((o(*゚▽゚*)o)))

 

 

こんなのもやってみてました~👇

高校生でもおもしろいな~

zubunogakkou.hatenablog.com