よだんのよだん(巻末コラム)
呼吸困難の日々に酸素を注入する方法として、いくつかの経済的な療法をご紹介したいと思います。(効果には個人差があります)
まずいちばんメジャーなのが「檸檬療法」(レモン・その他の果物を触る、においをかぐ、想像することによって癒される。発案・梶井基次郎)ですが、さらにテンションを上げていきたい方には「色柄療法」(色・柄とりどりの紙や布を見て心をときめかせる。本屋・服屋、布屋・紙屋・画材屋に行ってみてください)をおすすめします。
少し専門的な方法としては「俳句療法」(普段思ってたけど言えなかったことを言語化して、公式化する。と少し許せるようになる。例・夏の季語「夜すすぎ」を知ってから夜の洗濯が好きになった!)というのがありますが、これはうまくできないために逆にストレスになってしまうおそれもあるのでご注意ください。
そして今回、絶大な効果を再認識しましたのは「おたより療法」です。夕暮れ時の職員室で生徒からのおたより(無理やり書かせたやつ)に返事を書くことで、一瞬孤独から解放された気がしました。その模様を一部中継いたします。
高校三年生女子たちの「しつもん・おなやみ・かんそう」です。
「テスト勉強をしていると眠くなってしまいます。どうやったら眠気がさめるのでしょうか?」
→私も若かりし頃「机de爆睡」の常連でした。がむしゃらに今宵も机で爆睡(俳句)。友達と連絡しあったり、漫画を読んだりすると目が覚めていつまでも起きてられるんですが勉強をする気はいよいよなくなります。
「やせたいです。でも好きなものは食べたいです。どうにかなりますか? それと勉強ができません。大学に受かる気が全然しません。もうむりです。あきらめそうです」
→勉強できたら好きなものを食べていいっていうマイごほうびルールを設けてみたらどうだろうか? 三つの願いがすべてかないそうだぜ。
「ないです。」
→はい。
「さいきんしゃくれてきたのがなやみではなをせいけいするか迷っています。たかくなるアドバイスお願いします」
→しゃくれてきたのにはなをせいけいするのですか? がんがん自分を褒めてみては?
「キライキライキライキライ! 先生たちはうそつき!」
→おっしゃる通りでーす!
「古典の勉強は何のためにしているの?」
→古典も療法かも。古人と友達になれれば、はかないこの世を生きる際の心強い助っ人になってくれます。
「自分が平凡と思った時、もういらんやん。普通なんやったらいらんやん自分。誰が心から必要とするん。ってなる。」
→なる。自分で自分を(他人を)殺さず生かす生き方を目指したい。強欲に。
「チョコミントが食べたいです」
→すぅーーーーーっっ
やかまし みさき(赤松 みさき)
1986年大阪生まれ。中・高国語教師をしながら15年にゆるいまなびや「ずぶの学校」を開校し、校長に就任。今年6月「やかまし村の種まき祭」を開催したこと、前の姓と二字しか違わないこと、自分がやかましくてたまらないことから姓を「やかまし」に変えました。今後ともよろしゅう。写真は6月、旧ずぶ邸での種まき祭の模様。
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