もやもやずぶちゃん

旧ずぶ邸あるじのイントンコントン日記

旧ずぶ邸あるじの

ゆめうつつ、半信半疑の

いんとんこんとんらいふ

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ひょうたんの踊り場終幕

29日、物語する芸術祭 in からほり。
ずぶとじぶ「ひょうたんの踊り場」

 

お天気で、けが人もなく無事終了しました。
今とても達成感があり、ほっとしています。
観に来てくださった方、協力してくださった方、
空堀の住民の方々、ありがとうございました。

 

この作品は、参加者が絵と文(物語)がかかれた豆本をたよりに
商店街や路地を歩きながら踊りを探すという
前衛的なまち歩き(!)、探検型公演でした。

 

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豆本

最初の路地では玄関の前をお掃除する住民の方のすぐ前で、
4人で「炭酸水の歌」を歌いながら踊っている図が
とても印象的でした。

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商店街は道幅が狭い上に、ひとがたくさんいるので
参加者以外の方々の巻き込み力がすごかった。

 

しかし空堀の方々は寛容で
「ああ、まちあるきやな~」
と温かく見守ってくださりました。
いつの間にか、知らない少年が自転車で
追いかけてきている姿も美しかった。

 

自ら興味を持って追いかけるって
すばらしい能力だと思います。

 

高校横の細道では、
ダンサーさんがスタンバイしていたのですが、
すぐ近くにいながら気が付いていない参加者もいて、
後ろの方でうふふと思っていました。

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 仕掛けの全てを見つけられるわけじゃないのもいとをかし。

 

むしろ、参加者ではないゴルフクラブを肩に構えた住民の方が
発見して目を丸くして、くるくるきょろきょろしている様子が
ダンスに見えてきたり……

 

そうして仕掛けじゃないものがその場で生まれたり、
仕掛けじゃないまちの魅力を自ら発見していらっしゃる方も
たくさんいて、それは予想外の喜びでした。

 

練の庭は、最初にお邪魔した三月の頃よりも
ますます緑が生い茂って、奥の方などは
ほとんどモザイクになって見えないのに、
それでもダンス踊ってる(たぶん)って……
見えなくても特に気にならないって……
まちでやる公演ならでは。
そもそも場所の力がすごくあるんですね。

 

えのき(老木)のあるミニ公園の前には長堀通があって、
自転車も多く、
信号を渡るのは危険かなぁと思ったりもしましたが、
なんのその。

 

信号を渡るということが冒険的でよかった。
(結果オーライかもしれませんが
危険を恐れていては何もできないと思った!
危ないからだめ!ってすぐ言いがち……
いやいや、梅山さんに感謝です。)

 

しかも信号の向こう岸に
仁王立ちのダンサーさんが見えているのだ。
これは!!あっちだ!と気持ちがはやる……

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ここは練習の時、信号の向こうから
ランドセルをしょったこどもたちが
「マジックや~!!マジックやってる~!!」
と叫びながら走ってきて、
「マジックちゃうやん~」と言って
後ろで踊っているのも気にせず、
遊びの相談を始めるという
奇跡が起こった場所。

 

結構目立つし、老若男女の人通りも多くて、
いつも面白いことになるのでした。
本番の最中にも、宅配のおじさんが
「すんません~」
と言って普通に通り過ぎた様子もすてきでした。

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 最後の公園のグラウンドではもこもこした犬が
ダンサーさんの後ろを走り出し
これまたのどかでした。

 

二回目は遊んでいたこどもたちが一緒に鑑賞してくれて
「どうやって終わるんやろ~」
と興味深々の様子もほほえましかった。

 

空間の中に違和感のある動きが存在することで、
何気ない日常の光景を際立たせ、
当たり前が本当は当たり前ではないことを突きつけられる。
変なもの、自分と異なる(と見える)もの、
「なんじゃこりゃ~」なもの、ひと、ことの
世の中における必要性を再確認。

 

最初の路地では引き気味に見ていたお客さんも
最後の路地では奥へ奥へと率先して入り込んでしまい
(道路から路地をのぞき込む予定でした)
いつの間にか驚くべき勇敢さを持っていて
びっくりでした。

 

作品に対する、その自発性が嬉しくもありました。
思った通りにはいかない
何が起こるか分からないのは教室と同じ。
でも思い通りにならないからこそ、
発見があり、喜びもある。

 

みんなでするライブっていいなぁ。

 

振付・おどり担当の中西さんは高校の同級生です。
彼女の作品を見続けてきて、
場所や人間を生かすのがとても上手だと思っていた。
そして今回は、
自力で公演することの大変さが身に染みて感じられるとともに、
彼女のアグレッシブでやさしく
ひとをひっぱる力にも感動しました。
「絶対面白い公演になるから自信を持っていこう!」
「雨は、降らない!」
などなど数々の名言、すてきなリーダーだと思った。
さすが、じぶどのです。

 

さて私は絵と文と司会でコラボ―レーションしましたが
どうだったでしょうか。
私がいることで、幸か不幸か、
全体的に少しまぬけな色合いが濃くなるという
結果にはなったかもしれません。

 

私にできることってどんなことかなぁ
他にもあるかなぁ

誰かと何かをするとき
ついていくのではなく、
ともに作るひとでありたいのです。

 

長らく机にじっと座って受け身で生きてきた私ですが、
主体性を持とうというキャンペーンはまだまだ続いています。

 

こんなん面白いんちゃう?!っていつも話してること
独創的な(突拍子のない)ことを
みんなで一緒に実現できるのが、とても愉快でした。
ひとりではできない。

 

こんなふうに本当は授業も同志と一緒にやりたいのだが。

 

みんなで駆け回ったまちを後にするとき、
空堀の風景はとても懐かしい、
愛着のあるものになっていました。ふるさと……
もう暗くなっていましたが、
街灯の光がいい感じに差していて、
……夜公演もええな……
などとたくらむずぶとじぶ
とダンサーさんたちなのでした。

(次回の公演につづく)