もやもやずぶちゃん

旧ずぶ邸あるじのイントンコントン日記

旧ずぶ邸あるじの

ゆめうつつ、半信半疑の

いんとんこんとんらいふ

なんクルクルないさぁ~♪

ひょうたんの踊り場プログラム 物語する芸術祭 inからほり

f:id:zubunogakkou:20180302162517j:plain

古い建物が多く残る空堀地域を歩いていると、細い道、入り組んだ路地などが迷路のように広がり、ついつい童心に返って探険したくなります。普段たよりがちな地図や時計を少し手放して、小さな本を片手に、頭の中にはことばを、目の前にはダンスを、ライブで感じながら自分の足で町を歩いてみたらどうなるでしょうか。もしかしたらこども時代の遠い声や音が聞こえ、懐かしい風景がそこによみがえるかもしれません。太閤殿下の好んだひょうたんと、少年少女時代のひそやかな遊び場である「踊り場」を組み合わせ、空想でお堀を満たします。

 

 

ずぶ(赤松みさき・Misaki Akamatsu・ずぶの学校校長)

1986年大阪生まれ。高校国語教師・ポエマー。絵や文をかいたり、ぬいぐるみ、かばん、バッチを作ったりするのが好きで、2015年、ことばと創作のゆるいまなびや「ずぶの学校」を設立し、校長に就任。創作会、発表会(作品展示・音楽ライブ・人形劇)の開催、フリーペーパー「ずぶぬれ」・和綴じ本「和亀(わかめ)」の発行、出版など、文学・美術・音楽を通じて、ゆるい社会活動を行う。

ずぶの学校HP zubunogakkou.com

 

 

じぶ(中西ちさと・Chisato Nakanishi・ウミ下着主宰)

大阪府出身。ウミ下着代表・振付家・ダンサー。近畿大学コンテンポラリーダンス・ポストドラマ演劇を学び、在学中にダンスパフォーマンスグループ「ウミ下着」を結成。自らの体験や視点から社会をとらえる作品については「生きるということを常に問い、哲学を踊っている」と評される。国内ダンス留学@神戸一期生。エイチエムピー・シアターカンパニー、劇団衛星への振付や、上田誠、ウォーリー木下、筒井潤の作品に出演、NHK趣味の園芸グリーンスタイル「京も1日陽だまり屋」への声の出演など、ジャンルの垣根を越えて幅広く活躍。また、釜ヶ崎芸術大学ダンス部顧問。西宮市観光キャラクターみやたん『みやたん音頭』の振付、子供向け劇場ツアー『劇場へようこそ!』の構成・演出なども行う。

ウミ下着HP umishitagi.com

 

ふりにのってみる  ―ずぶ(ポエマー・絵・文担当)

 

RPGゲームでは、敵と戦うより、町をうろうろし、ひとに話しかけまくるのが好きだ。勝手に家に入ってタンスを開けるのも好きだ。「発見」が楽しい。じわりじわりと見えてくる筋を見つけながら、筋に沿って冒険する。人生ゲームですね。

 

ゲームを皆で作ってみて、世界には「導き」があふれているのだという思いが強くなった。どのひとのことばも、行動も、あるいはそこにあるもの、見たものも、私を、私の筋へやわらかく導くもの。まさに「ふり」だ。行けないときは行かなくていい、行ける方へ行くのよ、ということなのだ。やさしい先生が、そこかしこにいるのだ。

 

今回はじめて風景画にチャレンジしました。私はやっぱり町が好きだ。空堀のように古い町はなおさら。町の空気、ひとの様子、いつもの世界。その中にいつもと違うもの、動きがあると、なんだかいつもと違う感じ、むしろいつもの世界が別段当たり前でもなかったことに気づかされる。なぜ、そこにそんなものがあるのか。長い歴史の一点に過ぎない今、ここにあるものの存在の不確かさ(そして確かさ!)にぎょっとする。劇場に足を運ぶのもいいが、何気なくおどりがあり、物語があり、「なんじゃこりゃ!」があるかもしれない世界はとてもわくわくするのだ。

 

迷うことの美しさ  ―じぶ (振付家・踊り担当)

 スマホを持って4年ほどたつが、驚くほど道に迷うことが少なくなった。地図アプリがあればなんとなく現在地がわかるし、音声でガイドなんかもしてくれる。アプリがなかった頃は、よく道を間違え、時間をロスしたが野生の勘みたいなものを使って歩いていた。「なんとなく嫌な臭いがするからこっちじゃない」とか「このにぎやかさ。もうすぐだろう」みたいな。まあよく間違って猛ダッシュしても間に合わず半泣きになったり信用を失ったりしていたのだが。その緊張感を忘れてしまっている。こりゃいかん。これは進化でなく退化だ!もっと自分の身体で街を見て感じないと。

 

 からほりは起伏が激しく路地がたくさんあり、迷うにはうってつけの場所だ。私たちも大いに迷った。ざわざわした商店街を一歩抜けると生活のなかに神様がたくさんいた。行き止まりにぶちあたると蜂がぶわっと乱舞し心臓が跳ねた。街をさまよい踊り走り回っているうちに子供の頃の自分に巻き戻っている感覚を覚えた。歴史ある街で、私たちは子供も同然である。

 

 

〈出演〉

 

内田結花(Yuka Uchida)

大阪生まれ・在住。学生時代にストリートダンスを踊りはじめ、クラブ文化に親しむ。2010年より身体パフォーマンス団体淡水に参加。「国内ダンス留学@神戸」第2期振付家コース修了後、作品の創作・出演に加え、『カラダとコミュニケーション』をテーマに、アウトリーチ事業のコーディネートや講師、アシスタントを多数務める。近年では、黒沢美香、伊藤キム、竹ち代毬也、中西ちさと等の作品に出演。

 

川瀬亜衣 (Ai Kawase)

1987年京都市生。2010年より、美術作品の制作と並行し、千日前青空ダンス倶楽部で踊り始める(芸名 水鳥)。以降、関西圏を中心にダンサーとして様々な演出家の舞台作品に出演。2015年より舞台作品の自主制作も行うほか、演劇作品への出演や、写真家や美術家らとも共同作業する。近年は、KIKIKIKIKIKI、あごうさとし、akakilike などの作品に出演。HP aikws12.wixsite.com/solosailing

 

藤原美加(Mika Fujiwara

1990年生まれ、愛媛県出身。6歳よりモダンダンスを始める。
2009年日本女子体育大学舞踊学専攻に入学。
2014年「国内ダンス留学@神戸」2期生ダンサーコース修了。近年は黒沢美香、off‐nibroll井手茂太等の作品に出演。2016年よりダンスカンパニーKIKIKIKIKIKIに所属。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〈写真撮影〉 田添幹雄

〈映像撮影〉 岩本純平

〈撮影助手〉 武井琴

〈当日スタッフ〉 新家綾

〈協力〉 空堀商店街、からほり複合文化施設練、コワーキングスペース往来 梅山晃介

からほり周辺の町の皆さま(敬称略)